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不溶化材 STA-M

STA-Mとは

  • 形状:1mm以下の白色粉体
  • 成分:天然資材であるマグネサイト(炭酸マグネシウム)を約800℃で焼成した酸化マグネシウム「MgO」を主成分とした不溶化+固化材
STA-M

STA-Mの特徴

  • MgOと添加無機元素の反応により不溶化+固化効果を発揮。
  • 主材のMgOに無機材料を添加することにより規制されている全ての重金属の不溶化が可能。
  • Ca系材料を含まないため処理後のpHは10.5以下であり、高アルカリ問題を併発しない。
  • 比表面積が大きく、土粒子・重金属イオンとの反応性に富む。

主材である酸化マグネシウムの成分

主成分% 微量成分ppm
MgO92.13 Cd0.05
CaO1.96 Pb0.6
SiO21.63 T-CrND
Fe2O30.52 T-HgND
Al2O30.25 AsND
SO30.10 Cu0.7
Igloss3.12 Zn7.4
比表面積=4,000~12,000cm2/g
  • セメント系固化材に比べpHが低く、重金属等の再溶出リスクが少ない。

鉛化合物イオン等の溶出濃度のpH依存を示す概念図

鉛化合物イオン等の溶出濃度のpH依存を示す概念図

実汚染土に対する不溶化効果の比較

実汚染土に対する不溶化効果の比較

※掲載されているデータは、いずれも当社試験方法によるラボ試験の結果であり、実サイトでの性能を保証するものではありません。

  • 無機塩類との同時使用により、pH調整と対象重金属の不溶化効果を高めることができる。
  • 高濃度汚染土に対し、硫酸鉄を併用することで効率よく不溶化。

初期汚染レベル

As 含有量 mg/kg 1,530
溶出量 mg/L 3.8

処理後汚染レベルの比較

不溶化剤
固化剤
添加量
kg/m3
砒素
溶出量
mg/L
qU7
kN/m2
pH
STA-M 150 0.046 1,625 9.7
高炉B種 150 1.0 2,534 10.7
200 0.61 3,211 11.2
硫酸第一鉄
+高炉B種
150 0.57 207 9.7

※不溶化後(不溶化目標は第二溶出基準)

※掲載されているデータは、いずれも当社試験方法によるラボ試験の結果であり、実サイトでの性能を保証するものではありません。

  • 長期にわたって不溶化効果が持続。

酸・アルカリ添加溶出試験 ※1結果の例(STA-M 100kg/m3添加)

重金属等 原土溶出量
mg/L
不溶化処理後の溶出量 mg/L
環告46号 酸添加 アルカリ添加
5.7 <0.005 <0.005 <0.005
六価クロム 0.15 0.01 0.02 0.01
砒素 0.036 <0.002 <0.002 <0.002
ふっ素 1.4 0.05 0.05 0.07
ほう素 0.65 <0.05 <0.05 <0.05
シアン 1.0 <0.1 <0.1 <0.1

※1 (社)土壌環境センター技術標準「重金属等不溶化処理土壌のpH 変化に対する安定性の相対的評価方法―硫酸添加溶出試験法・消石灰添加溶出試験法―」

※掲載されているデータは、いずれも当社試験方法によるラボ試験の結果であり、実サイトでの性能を保証するものではありません。

STA-Mの現場適用事例

高濃度複合汚染土に対する適用事例

  • 工場跡地
  • 対象土量:12,000m3
  • 第二溶出基準以下に不溶化後、管理型処分場へ搬出。
原土の汚染濃度 処理土の汚染濃度
重金属等 溶出量 mg/L 不溶化後の溶出量 mg/L
100kg/m3 150kg/m3
砒素 43.3 0.155 0.132
2.33 0.015 <0.005
カドミウム 0.067 0.015 <0.005
水銀 0.008 0.0005 <0.0001
セレン 0.371 0.045 0.015

※掲載されているデータは、いずれも当社試験方法によるラボ試験の結果であり、実サイトでの性能を保証するものではありません。

複合汚染土の不溶化・埋め戻し適用事例

  • 工場跡地
  • 対象土量:550m3
  • 土壌環境基準以下に不溶化後、原位置に埋め戻し。
原土の汚染濃度 処理土の汚染濃度
重金属等 溶出量 mg/L 不溶化後の溶出量 mg/L
60kg/m3 80kg/m3 100kg/m3
ふっ素 4.5 0.4 0.2 0.15
0.20 0.007 <0.005 <0.005

※掲載されているデータは、いずれも当社試験方法によるラボ試験の結果であり、実サイトでの性能を保証するものではありません。

土壌改良機混合

土壌改良機混合

原位置埋め戻しイメージ

原位置埋め戻しイメージ

(APPENDIX1) 不溶化メカニズム

反応1 ハイドロタルサイト様化合物への固定化

  1. MgOの水和生成物であるMg(OH)2のMg2+の一部をAl3+で置換することにより生成する積層構造を持つ物質。
  2. 層間には水と陰イオンが入っており、陰イオンがF-、B(OH)4-、CrO42-、AsO42-、SeO32-などのイオンと交換して固定。
ハイドロタルサイトの構造概念図

ハイドロタルサイトの構造概念図

反応2 MgOの水和とCl-供給によるマグネシアセメント生成による不溶化+固化

3MgO+MgCl2+nH2O→3MgO・MgCl2・nH2O

MgOの水和反応時にFなどの陰イオンが表面電位的に結合し、更にMgCl2存在下で強固に固定化される。

反応3 MgOの水和による脱水、炭酸化による固化

MgO+H2O→Mg(OH)2  Mg(OH)2+CO2→MgCO3

MgOによる土中水の脱水と気中炭酸ガスによる炭酸化により生成する塩基性炭酸マグネシウムによる土粒子の接着効果。

(APPENDIX2) 固化効果

固化効果 (28日養生時の圧縮強度)

固化効果 (28日養生時の圧縮強度)

※掲載されているデータは、いずれも当社試験方法によるラボ試験の結果であり、実サイトでの性能を保証するものではありません。

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電話などによるお問い合わせ 環境プロジェクト部
TEL. 03-5445-5208 FAX. 03-5445-5220
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